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デジタルカメラでタングステンフィルム風に。 [管理人の独り言]

久々に管理人の独り言です。

先だってお邪魔したメンバーさんの写真展にて・・・・・



全体に青い色調の作品が、いくつか展示されておりました。
お聞きしたところフジのCDUを使って撮られたとのこと。

CDUというフィルムは、本来はデュープ(ポジフィルムを複製すること)のためのフィルムです。
それを青い表現を得るために、意図的に使用しているということですね。

簡単に青く写る原理を見ておくと・・・・・

CDUは暗室などラボ作業で使用するフィルムですのでタングステンタイプのフィルムとなります。
(色温度3200K程度の光源で使用するように作られたフィルム)
色温度3200Kの光というのは、簡単に言うと、「赤黄色い光」です。

これに対し、日中昼間など朝夕以外での太陽の光は「青白い光」なんですね。
(色温度で言うと5500Kとか6000K程度)

白色電球のような「赤黄色い」光源下でタングステンタイプのフィルムを使うと、「赤黄色い」光源であっても白いものは白く写ります。

これを逆手にとって、本来は「赤黄色い光」専用のフィルムを「青白い光」の下で使うと、全体に青みがかった表現ができるという理屈です。

別の言い方をするならば、赤が白く見えるという事は青く補正されているということですので、元々白く見えている物に対して同様の補正が行われると青く写るという具合です。



で、写真展会場に話を戻すと・・・・・

みなさん御存知のように、もうフィルム市場は風前の灯で、フィルムの種類も数もドンドン減っていってます。
CDUも御他聞に漏れず、製造中止になっているそうで、「もうフィルムがないから撮れない・・・・・」と仰っていました。

ん?・・・・・いえいえ、そんな事はありません。

「フィルム時代と同じ質感は望めないかもしれませんが、同じ理屈で処理すればデジタルでもできますよ」

デジタルに慣れておられる方は、はやお気づきかと思いますが、その方法をチョロっと書き残しておきたいと思います。

まず、RAWで撮影します。
特になにか意識していただく必要はありません。
オートでも、マニュアルでも、とにかく普通に撮ってください。

で、現像するときに色温度の項目を3200Kぐらいにセットしてください。
(参考までにAdobe LightroomとCanonDPPの画面をキャプチャして貼っておきます。)

Lightroom.JPGDPP.JPG左:Lightroom
右:Canon DPP

露光量やコントラストなどその他の項目は任意に設定してくださいね。


そうすると・・・・・









Image_5500k.jpgImage_3200k.jpg

左は、普通にオートホワイトバランスで5500Kぐらいで現像したもの、右は3200Kで現像したものです。

写真の良し悪し、青い画面にして美しい写真かどうかは勘弁していただいて、タングステンフィルム(CDU等)で撮った場合と同じ結果をデジタルカメラで得ることができます。

もちろん色温度を小さくすればより青く、大きくすれば青みを抑える方向に色が変わります。
自分好みの青さに調整できるのは、デジタルならではですね。

興味ある方は、ぜひ試してみてくださいね。
いつもと違った世界を楽しめる事と思います。

以上、管理人でした。


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junshin

こう言ったレクチャーは嬉しいですね。

写真の楽しみ方が増え、作品のバリエーションに巾がでるでしょうか。

ありがとうございます!
by junshin (2014-06-14 19:11) 

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